Views
No views yet
その日の昼下がり。私とあやはお揃いの浴衣を身に纏い、冬祭りを楽しむために町へと繰り出していた。むろん、忍者の素性を隠すために皆変装している。
普段着慣れない服装のため少々落ち着かないものの、帯が緩んだり着崩れしないよう意識しながら歩く。するとあやも同じようにぎこちなく歩いているのが分かった。
やがて街並みは活気に満ち始め、道行く人々の賑やかな声が聞こえてくる。
広場に到着すると、そこは大勢の人々でにぎわい、色とりどりの提灯が辺りを照らしていた。様々な出店が並び、大勢の子供達とその親御さんが駆け回っている。
広場の中央付近にある舞台では催し物が開催されており、太鼓の音に合わせて歌っている演者たちがいた。
「わぁ~、きれい!」
目を輝かせて辺りを見回すあや。こうしてみると年相応の子どもに見える。
「こら、勝手に走り回らない」
「えへへ~ごめんなさい」
たしなめられながらも、顔は綻んでいる様子からも分かる通り、彼女も楽しみにしているのは明らかだろう。
あやが楽しそうだと、私も嬉しい。不思議なものだな。今までこんな気持ちになったことはなかった。
思わず私まで笑顔になってしまう。
「このちゃん、このちゃん!見て!このちょうちん可愛い~!」
「おお」
彼女に袖を引かれて連れて行かれたのは、可愛らしい動物の絵柄があしらわれた行燈。どうやら売店が出しているらしい。
屋台では屋台では焼きそばや焼き鳥などの定番と並んで、冬限定の鍋専門店なども出ていた。
「あやはなにか食べたいものあるか?」
「えっとね~、お好み焼きとか……」
「お好み焼き?」
私は初めて聞く料理名に首を傾げる。あやは目をキラキラさせながら、その料理について説明してくれた。
小麦粉の生地にキャベツや豚肉、天かす、そしてお好み焼きソースをかけて焼いた、大阪名物の料理らしい。
「それはまた面白そうなものだな。ではそこの屋台に行ってみよう」
私達は目星をつけた屋台へ向かうことにした。
お好み焼きの屋台は、予想以上の盛況ぶりで行列ができていた。しかし、並ぶこと30分ほどで私たちの番がやってくる。
「おばちゃん、これください」
「あいよ!ちょっと待ってな!」
屋台のおばちゃんは威勢のいい声で返事をすると、手慣れた様子で鉄板の上でお好み焼きを焼き上げる。
「これがお好み焼きだよ」
出来上がったお好み焼きを手にしたあやが、うっとりとした様子でそう言った。
「ほう。見るからに美味しそうだ」
私もその色合いに誘われるようにして、一口頬